Why It Happens
体組成計の数字は、入力した身長で変わる
体組成計に乗る前に、身長を入力します。——その入力値が、出てくる体脂肪率と筋肉量を動かしていました。
実験の作り方が、うまい
健常男性40名を対象に、同じ人を3つの条件で測った研究があります。
〔対象と方法〕健常男性40名とした.家庭用体組成計を用いて同一被験者で通常測定(通常条件),円背指数19.4 ± 2.0の擬似円背装置を用いた円背姿勢で身長入力測定(円背条件),円背姿勢でその姿勢で身長を測定した(円背身長条件)の3条件で身体組成を測定した
3条件の違いは、こうです。
```通常条件 まっすぐ立って、本来の身長を入力円背条件 背中を丸めた姿勢で測る。ただし身長は本来の値を入力円背身長条件 背中を丸めた姿勢で測る。身長も、その姿勢で測った(縮んだ)値を入力```
結果は、姿勢では動かず、入力値で動いた
〔結果〕通常条件と円背条件では,すべての値において有意差はみられなかった.円背身長条件は他の条件と比較し,全筋肉量,四肢骨格筋量が有意に低値を示し,SMI,体脂肪率は有意に高い値を示した
姿勢を変えても、身長を本来の値で入力していれば、数字は動きませんでした。——動いたのは、入力する身長を変えたときです。
```姿勢が変わった → 数字は変わらない入力した身長が変わった → 筋肉量が下がり、体脂肪率が上がる```
結語はこうです。
〔結語〕家庭用体組成計においても,円背による身長低下は体組成成分の測定値を変化させることが明らかになった
これが日常で効く場面
身長は、測る機会が少ない値です。——学生時代の数字を、そのまま入れ続けている人がいます。そして加齢や姿勢で、実際の身長は変わりうる。
入力を1回直すだけで、体脂肪率の表示が動きます。——体が変わったのではなく、式に入れた数字が変わったからです。
この記事で確認したこと
- 同じ人・同じ機器でも、入力した身長が違えば測定値が変わる
- 姿勢そのもの(背中を丸める)では、有意差はみられなかった
- 身長を低く入力すると、全筋肉量・四肢骨格筋量が低く、SMI・体脂肪率が高く出た
- 研究の結語は「身長低下は体組成成分の測定値を変化させる」である
体組成計の数字が動いたとき、動いたのが体とは限りません。
出典
- 円背姿勢が家庭用体組成計による体組成の測定値に及ぼす影響(理学療法科学 33巻4号) https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/33/4/33_619/_article/-char/ja
この記事は広告ではありません。特定の機器を薦めるものでも、効果を保証するものでもありません。健康状態の判断は、測定機器の数字ではなく、医療機関で行ってください。