Why It Happens
体組成計の数字は、機器を変えると変わる
ジムで測った体脂肪率と、家で測った体脂肪率が違う。——どちらかが壊れているとは限りません。そう出ることが、研究で確かめられています。
表示されている数字は、全部が「測った値」ではない
家庭用の体組成計の多くは BIA法(生体電気インピーダンス法)を使っています。
この方式を扱った研究の書き方に、手がかりがあります。——同じ研究の中で、「測定値」と「算出値」が区別されています。
統計解析は,男女別に測定値および算出値を比較し,Pearsonの相関係数を求めた
並んでいるということは、同じものではない、ということです。
```測定値 機器が実際に測ったもの算出値 そこから計算して出したもの```
画面に並ぶ数字は、この2種類が混ざっています。——そして計算の式は、機器を作った側が決めています。
〔書き手の注記〕BIA法が「電気抵抗値から体組成を推定する方式である」という説明は広く流通していますが、この記事では、出典を特定できた記述だけを根拠にしています。——特定できなかった説明は、載せていません。
実際に、機器が違うと数字が違う
健常若年男性108名・女性83名を対象に、異なるBIA法の体組成計を比べた研究があります。
〔結果〕男性は体重,BMI,全筋肉量,左右脚・体幹筋肉量,除脂肪量,SMI,FFMIに差がみられ,女性は,体重,BMI,体脂肪率,左右脚・体幹筋肉量,脂肪量,FMIにおいて差がみられ,全項目で極めて強い相関がみられた
2つのことが同時に書かれています。
| 差がみられた | 機器が違えば、出る数字は違う |
|---|---|
| 極めて強い相関 | それでも、増えた・減ったの動きは一致する |
そして結語はこうです。
〔結語〕機器により測定値に違いはあるが臨床で利用可能であると考える
だから、こう使うと外さない
```同じ機器で、続けて測る → 意味がある。増減が追える別の機器の数字と比べる → 意味が薄い。差が出ることが分かっている```
ジムの体組成計と、家の体組成計の数字が違っても、どちらかが壊れているとは限りません。——式が違うだけ、という説明が付きます。
この記事で確認したこと
- 研究は「測定値」と「算出値」を区別して扱っている=表示される数字の一部は計算された値である
- 異なるBIA法の機器を比べると、多くの項目で測定値に差が出る
- 同時に、全項目で極めて強い相関がある
- 研究の結語は「機器により測定値に違いはあるが臨床で利用可能」である
機器が違えば数字が違うことは、研究で確かめられています。——それでも増減は一致するので、同じ機器で続けて測るぶんには読めます。
出典
- 家庭用身体組成計の臨床利用の検討(理学療法科学 33巻1号) https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika/33/1/33_151/_article/-char/ja
この記事は広告ではありません。特定の機器を薦めるものでも、効果を保証するものでもありません。健康状態の判断は、測定機器の数字ではなく、医療機関で行ってください。